2008/05/10

川上さぷり - 川上産吉野材販売促進協同組合


この間の5月5日と6日に、過去の木匠塾の制作物の点検とメンテナンスを兼ねて奈良県川上村に行ってきた。
作業内容は2004年と2005年に渡って建てられた西川のパーゴラデッキの塗装及び、2003年我らの代に建てた下多古の神饌所の点検であった。

パーゴラデッキの塗装については、大工大5名+大芸大3名が集まり予想以上にスムーズに作業することができた。

パーゴラデッキ塗装風景

雨が降りそうだったので養生している様子

最後に用意していたトケイソウを植えた

神饌所の点検に関しては、事前に本年度の木匠塾の打ち合わせに来ていたゼミ生に写真を撮ってきてもらっていたので、状態は把握していた。

神饌所の鳥居

下多古の方が大切に使ってくれているようでとても綺麗でした

前田 下多古区長より杉柾目板による樽について説明していただいた

川上の杉山について話を聞いている様子年々杉の末口の立ち枯れが目立つようになってきているという

下多古の公民館に集まっていたら、神饌所の木工事でお世話になった泉岡さんに出会った

すべての作業が終わったので
帰りがけに白川渡のオートキャンプ場に立ち寄った。

昨年の木匠塾で作ったバーベキュー庇


間伐材のベンチ

今回のメンテナンスや点検は有意義な時間を過ごた。
しかし、今回もう一つ収穫があったのは、下多古区長の前田さん、大工の泉岡さん、川上村役場の泉さんからたくさんの川上村の"今”について話を聞けたことだ。
川上村と言えば「秋田杉」「木曾檜」に並ぶ「吉野杉」の産地である。
しかし、現在日本の木材料需要は安い外材や新建材に押され低迷しているのだ。
このままでは吉野の杉や檜の山々は採算が合わず荒れ果ててしまうという。
そんな中、川上村の村民の出資と国からの助成金で、新しく吉野杉と吉野檜を流通させるための施設ができていた。
それが「川上さぷり - 川上産吉野材販売促進協同組合」である。
川上村の山守が運営し、川上村の山元から直接市場を介せずに原木を買い付けることで中間マージンをなくし、価格破壊を実現させたのだ。
彼らはこれを「適価(適正価格)」と呼んでいる。
「川上さぷり」には高性能の人乾設備、製材設備、ヤング係数の測定設備が揃っていて、住宅一軒分の構造材と化粧材がいつでも手に入るという。
実は、木匠塾でお世話になっている白川渡のオートキャンプ場の建物も「川上さぷり」の材で建てられている。

吉野杉、吉野檜を贅沢に使った住宅も夢ではないかもしれない。

奈良県吉野郡川上村東川758-1
TEL: 0746-53-9988
FAX: 0746-53-9888
info@yoshinosugi.net


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今度、お盆にでも植えたトケイソウの成長ぶりと川上さぷりと山の見学とか出来たらいいですね。

お盆はさぷりも休みかな。